こんにちは。整体サロンpirka-ピリカ-の山田です。
腰痛は現代社会において最も一般的な運動器障害の一つです。その中でも特に腰部伸展時に痛みを訴える症例は多く、臨床現場ではしばしば遭遇するかと思います。整体師、柔道整復師、理学療法士、鍼灸師、セラピスト、トレーナーといった身体の専門家にとって、腰部伸展痛の病態理解と効果的なアプローチの構築は不可欠であり、本記事では、腰部伸展痛に対する臨床的なアプローチを解剖学知見から考察をしていきたいと思います。
整体師、柔道整復師、理学療法士、鍼灸師、セラピスト、トレーナーといった身体についての専門職の方々の臨床への一助になれば幸いです。
目次
① 腰部伸展痛の病態生理
腰部の伸展時に痛みが誘発される背景には、多様な要因が存在しますが主に以下の三つが代表的です。
2. 椎間板変性や椎間板障害
3. 筋・筋膜性の緊張や機能障害
特に椎間関節は腰椎伸展動作の際に圧縮ストレスを受けやすく、加齢や反復動作による関節包や軟骨の変性が伸展痛を惹起することが多いです。また、腰部伸展によって椎間板後方が圧迫されると、後方線維輪や後縦靭帯に刺激が加わり痛みが生じることもある。さらに、脊柱起立筋群や多裂筋の過緊張は、この椎間関節の圧迫を助長し局所的な疼痛を引き起こしやすいと考えられます。

副次的には体幹の前部の筋の過緊張も疼痛の要因となりますが、こちらは可動域制限への影響が大きいケースが多いです。腸腰筋や大腿四頭筋、腹直筋、錐体筋、腹斜筋群などへアプローチをすることで腰部伸展の可動域改善が期待できます。
②椎間関節痛に対するアプローチ
椎間関節性腰痛は、腰部伸展痛の主要因の一つです。
椎間板障害はMRIなどの画像診断で確認されることもあるが、臨床的には疼痛誘発テスト(伸展負荷テスト)などで評価されることが多く、特に伸展・回旋時に痛みが誘発されやすく、圧痛点が関節付近に存在することが特徴的です。
そんな椎間関節へのアプローチとしては様々な方法が考案されていますので参考にしてみてくだい。
関節モビライゼーション
理学療法や徒手療法の領域では、関節モビライゼーションが有効であるとされる。
筋の再教育(多裂筋や腹横筋など)
関節由来の疼痛に伴って、腰部安定化に重要な多裂筋や腹横筋の活動低下が報告されている。そのため、コアスタビリティエクササイズによる筋再教育が推奨されている。
運動療法(McKenzie法)
McKenzieの運動療法では、伸展方向運動が推奨されることが多い。ただし椎間板障害の部位や段階によっては逆に伸展で痛みが誘発されることもあるため、方向性優位性を見極めて処方することが重要である。
運動療法②(体幹安定化エクササイズ)
椎間板障害例では、体幹筋群の協調的な働きが損なわれることが多い。特に腹横筋と多裂筋のタイミング改善は、椎間板の負担軽減に寄与するとされている。
荷重管理(体重管理)
反復的な腰椎伸展や過度な負荷動作をコントロールすることが重要であり、日常生活指導において動かし方の指導や荷重管理は重視される項目の一つである。単純に体重を減らす事でも腰部の負荷が減少するので体重過多の場合は体重を落とす指導も含める事も考える必要がある。
筋・筋膜性疼痛に対するアプローチ(手技療法など)
腰部伸展時に誘発される痛みの中には、筋・筋膜性の要因も大きい。特に脊柱起立筋群、多裂筋、大殿筋などの緊張やトリガーポイントは伸展動作を制限する要因となる。筋膜リリース、ストレッチ、マッサージは有効であり、筋の柔軟性改善が伸展時の痛み緩和に直結する。
まとめ
腰痛で伸展痛が主訴の場合、椎間関節へアプローチする事で疼痛が変化する事が多いです。
アプローチ方法は直接法や運動療法など幅広く考案されているので、対象者に合わせた方法を取捨選択するようにしましょう。
その為にアプローチ方法は広く知っておき引き出しの数を多く所有しておくようにするべきだと思っています。
よろしければ参考にしてみてくださいね。
