心理学を使っての距離感の計り方【柔道整復師、施術家向け】

こんにちは。

整体サロンpirka-ピリカ-の山田です。

問診の時

施術中

施術後

クライアントさんと接する時にコミュニケーションは必要になりますよね。

仕事をする時に、クライアントに対して、より良い施術を提供して結果を出したいと思うのが施術家の性ですよね。

そのためにはなるべく多くのクライアントさんの情報を話して頂いて、詳しくその個人の体や生活様式を把握することが大切になってきます。

なぜなら個人個人で生活、体格、体質、性格、現在の状態、症状、環境などすべてが違うからであり、

その状態によって提供するべきものや、出来ることが変わってくるからです。

なので、施術の技術のみではなく、人とのコミュニケーションをとる技術は必要になってきます。

その中で、心理学を知っておくとクライアントさんとの距離感を計るのに便利な場面が数多く存在します。

クライアントさんと向き合うことがある施術家向けに

今回は僕が臨床で使ってみて、または意識してみて役に立ったな。効果があったなと思うものをいくつかご紹介していきたいと思いますので、参考にしてみてください。

では書いていきますね。

 人と距離を縮める時って、見た目って大切だよねって話

人は会ってから10秒以内に相手の好き嫌いを判別していると言います。

すなわち、相手に色々とお話してもらうためには、施術者側の第一印象がとても大切なのです。

「あ、こいつ生理的に無理だわ」

と思われたら、施術がどんなに良くても、通いたくなるなんてことはほとんどありません。

そりゃ誰だって、自分が通うなら自分が心地よい場所に通いたいと思うのは当然のことでしょう?

整骨院や治療院は世界に一つだけしかないわけでもないですし、わざわざ自分の苦手な人がいる場所にお金を払ってまで足を運ぶなんて人はいないです。

いたとしても、そんな嫌々通っているクライアントさんの姿を施術家の人たちも、きっと見たくないと思います。

それだけ第一印象は大切だと思います。

特に清潔感は重要です。

この人なら安心して任せられそうだ。

その第一印象を持ってもらうことが、施術の効果を出すのに意外と関係してきます。

(言ってしまうと成約率にも関係してきます)

安心・安全は人が何かを選ぶ時に前提条件になるので、ここが抜けてしまうと何をしても効果も成約率も上がりにくくなります。

クライアントさんに気持ちよくお話してもらうためにも

自分がクライアントさんの要望に応えるためにも

まずは見た目から整えて行くことは有効な手段です。

少し詳しくお話していくと

マズローの欲求五段階で見ると

「安全欲求」は下から二番目に位置していることがわかります。

特に施術家は人とマンツーマンで接する時間も長いので「その人が自分にとって無害かどうか」がとても大切になってきます。

また人は「得ること」より「失うこと」を避ける性質があります。

プロスペクト理論の中に「損失回避性」と呼ばれる行動パターンがあり、なるべく安全で確実性のあるものを取捨選択する可能性が高いということを指します。

商品が良くても、その効果を頷けるようなものが必要です。また信じることが出来る要素が欲しくなります。

実績や科学的根拠などの権威性ももちろん大切ですが、”誰に勧められたのか?””この人は信用できるのか?”ということが、精神的な安心や安全に繋がることが多いです。

なので、見た目を整えて第一印象を良くすることは、人との距離を縮めるために手取り早い方法になり得ます。

 相手の心境を探って、近づいたり離れたりする

あなたの周りに

「この人、グイグイ来すぎてなんか嫌だな」

と感じる人はいませんか?

どうしても仕事柄、自分の意見や知識を話したくなってしまうのが施術家の悲しい部分でもあります。

自分の思いや熱を伝えることはとても大切なことです。

指導内容や体のことを伝えたいのもわかります。

僕も整骨院で勤めていたのでその気持ちは、すごくわかります。

・・・でも、やり過ぎると引かれます。

その時に、クライアントさんが

「もっと聞きたがっているのか」

「もうお腹いっぱい状態なのか」

わかると、便利だと思いませんか?

山田
相手の姿を見て、「今はもう少し詳しく話した方がいいかな。今はあまりオススメしない方がいいかも」。・・・それが予想できたらお互い気持ちの良い距離感を調節できますよね

相手の反応を見て、自分との距離感を知る方法をいくつかご紹介しますね。

1、相手と自分の物理的な距離

問診中などに自分が少し近づくと相手が離れる・体を逆側に傾ける。などがあれば、それ以上は踏み込まない方が良いでしょう。

物理的な距離はそのまま相手との距離感を示すことが多いです。

問診中は椅子に座っていることが多いでしょうから、

試しに少し距離を近くしてみて相手の反応を見てみましょう。

ちなみにこれは、日常生活にも使えるテクニックで、飲み会などで気になる人のグラスの近くに自分のグラスを置いてみて、次に置く場所が近いか離して置くかを見てみると、自分がどう思われているかの指標になったりします。

2、体の向き

体の向きもこちらの話を聞きたいかどうかの指標になります。

特に胸がどちらの向きを向いているかをみるといいかと思います。

人は興味のある話を聞くときは、その方向に体を向けます。

ですので説明などの時に体が自分の方を向いていないときは、話を短くして結論を早めに話すことが大切になります。

3、返事が単調か否か

こちらが話していて返事が

「はい」

が続いている時は、相手が飽きてしまっている場合が考えられます。

よくセールス方法で相手に「はい」を何回も言わせるイエスセット法というものがあります。

しかし、この方法は相手が興味のある話であれば効果がありますが、多くの場合は逆効果のパターンが多いです。

返事が単調になっている時に、セールスをかけると「こいつウザいな」と思われるので注意です。

「はい・・・はい・・・」

と、こちらの問いに対して返事が単調の時は、こちらの話ではなく、相手の話の量を多くするように調節してあげることが大切になるので意識してみてくださいね。

 一番大切なこと

相手の心理がどのような状態なのか知る時に、心理学や行動経済学はとても有用です。

テクニックというと少し嫌な感じに聞こえるかもしれませんが、相手が気持ちよく自分のことを話してくれるのであれば、心理テクニックなどを使って話すことは良いことだと思います。

クライアントさんが自分の話を詳しくしてくれればしてくれるほど、施術家が何を提供すれば良いのか・何をするのが効果的なのかを判断しやすくなります。

その結果、効果や結果に繋げやすくもなります。

一番大切なことは

相手のことを知ること。

そのために相手が話しやすい環境をこちらが作ること。

この二つが、クライアントさんの要望に応えるために必要なことでもありますし、より良い関係性を築いていく一つの方法でもあるのではないかと思います。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。