こんにちは。
整体サロンpirka-ピリカ-の山田です。
「体温は高い方がいいのか?それもと低い方がいいのか?」
「よく体温は高い方がいいっていうけどそれって本当なの?」
そんな疑問にお答えしていきます。
「体温」はとても身近なテーマですが、最近は色々な論文が出てきていて、一概に高い方が良いとは言えなくなってきていることをご存知でしょうか?
今回はそんな体温について、生理学的観点から考えてお話していきたいと思います。
この記事でわかること
人の基礎体温は「36.5~37.1℃」
体温が高くて良いこともあるし、悪いこともある
結局、平均体温の間にいることが一番であること
目次
人の平均体温
あなたは人の平均体温は何度なのか、知っているでしょうか?
WHO(世界保健機関)で定められている人の平均体温は
「36.5~37.1℃」
だと規定されています。
そして通常、この温度の間を維持することが健康に良いとされています。
また人間のホメオスタシス(恒常性)はこの体温をキープするように出来ているのです。
37.1℃は微熱のイメージがありますが、平熱の範囲内なのです。
特に女性は生理後3週ほど(高温期)の期間は体温が37℃近くまで高くなるので、この温度はそれほど高くないと言えるのです。
体温が高いと良い理由
「体温が高いと良いことがたくさんあるよ」
という人が言うのは以下の3つを指して言うことが多いです。
①代謝が良くなる
②酵素のはたらきが活発になる
③免疫力が上がる
代謝が良くなる根拠としては
代謝とは体の中でおこるエネルギーを作るための化学反応のことを指します。
そしてこの化学反応は温度が高くなればなるほど、反応が促進される特徴を持っています。
これは化学の温度依存性という法則を元に考えられています。
また代謝の促進酵素である「ATPアーゼ」は体温が高い環境下で活性化するとされている面からも、体温を上げることで代謝の促進を促せると考えられます。
酵素のはたらきも同じで、酵素には「至適温度」というものが存在します。
至適温度とは”酵素が最もはたらく温度のこと”を言います。
体の中には消化酵素や代謝のための酵素など多くの酵素が存在しています。
酵素の種類によってこの至適温度はまちまちなのですが、これが平均体温と一致しているケースが多いのです。
免疫力が上がるに関しては
発熱(37.2以上)すると白血球の数が平熱時の1.6倍に増えるという研究結果が出ています。
数値は各研究によって差異はあるものの増加することは確実で、免疫細胞であるマクロファージの活性化も体温によって調節されていることも証明されています。
また、筋肉の粘性や関節液の分泌、神経伝達スピードも体温と関係していることから考えても、体温を高くすることが健康に良いとされています。
体温が低いと良い理由
逆に体温が高くない方が良いとする意見も存在します。
生理学的な観点から考えると
代謝が良くなりすぎると、その分、フリーラジカル(活性酸素)の産生も多くなるので、細胞にダメージを負わせるリスクも出てくるのです。
体温が低いことでフリーラジカルの産生が少なくなります。
つまり細胞の損傷を少なくすることができるのです。
体の各器官の抗酸化作用や遺伝子情報の損傷などを防ぐことが出来ると言われています。
色々な意見がありますがどちらもどっち
体温が高くて良いこともあれば、低くて良いこともあります。
つまり、
平均体温を維持することが大切であり、平均体温内であれば高くても低くても大差がない
というのが結論になります。
どうしても世間のイメージから
「体温は高ければ高いほど良い」
と思い込みがちですが、体温が高すぎるのも問題で、体力の消費が激しかったり、フリーラジカル発生のリスクが上がったりします。
人の体温が36.5~37.1℃なのは、代謝効率とフリーラジカルの産生の釣り合いが取れている温度だからなのです。
つまり最もバランスが取れている状態は平均体温をキープすることであると考えておけば間違い無いでしょう。
ただし、低体温(ここでは平均体温に満たない体温を指します)は、病気などとの関連も示唆されています。
低体温の場合は平均体温まで体温を上げることは有意義かなと思います。
参考にしてみてくださいね。
↓夏に向けてクーラーと仲良くする暮らす方法こちら。
ちなみに体温が33℃になると幻覚が見え始めて、それ以下になると意識が無くなるよ。逆に40℃を越えると意識障害を起こして正常な判断を下すのが難しくなったり、筋肉がつったりする熱痙攣などの症状が出て呼吸が出来なくなることもあるんだ。
体温を維持するホメオスタシスってすごく大事