椎間板ヘルニアについて知っておく事【知識をつけて身を守ろう】

こんにちは。

整体サロンpirka-ピリカ-の山田です。

今回は腰痛の中でも有名なヘルニアについて書いていこうと思います。

ヘルニアとはどんな状態を指すのか。

そのような経過をたどるのか。

現在の対処法はどのようなものがあるのか。

それらを解説していきます。

※症状が強い場合は必ず病院にかかり診断を仰ぐようにしてください。

 ヘルニアとはどのような状態なのか?

ヘルニアとは『椎間板が突出し神経を圧迫していることによって症状が出ている状の事を指します。

正式名称は『椎間板ヘルニア』と言います。

ヘルニアとは『本来あるべき場所から脱出・突出する』という意味があります。

つまり”椎間板”が本来ある場所から”脱出・突出”している状態を椎間板ヘルニアというのです。

椎間板が後方に飛び出し、神経を圧迫すると症状が起こるとされている

椎間板は中身であるゼリー状の”髄核””繊維輪”と呼ばれる硬い組織に囲まれて、形を保っています。

ゼリーのクッションのようなイメージですね。

しかしヘルニアの場合だとこの繊維輪が破綻してしまい、中身の髄核が外に飛び出してしまいます。

そして飛び出した髄核が近くを通る神経を刺激して痛みや痺れを起こす状態のことをヘルニアと呼びます。

また首なら頚部椎間板ヘルニア、腰なら腰部椎間板ヘルニアといったように場所によって名称が変わります。

 ヘルニアの症状

ヘルニアの症状は、椎間板が後外方へ吐出し神経の根本を圧迫することによって痛みや痺れを引き起こします。

障害される部位によって痛みや痺れが起こる箇所が変わっってきます。

ちなみに腰の神経では

L1→股関節の前

L2→大腿部の上1/3から内腿の真ん中

L3→大腿部の真ん中から内腿の下1/3

L4→膝周りから下腿の内側

L5→下腿の外側から足の甲、足の裏

に症状が出ます。(ざっくりですが…)

足神経範囲のイメージ(グレイ解剖学1918年版より)

またヘルニアは高齢者だけではなく若年者から高齢者まで幅広く起こります。

高齢者は椎間板の変性や腰椎の変形を伴って起こることが多く、若年者に関しては重い物をよく持つ・長時間同じ姿勢をとる(座りっぱなし)・筋力が少ないなどの人に発生しやすいと言われています。

そして男性の方が発生率が多く、下部腰部で発生しやすいと統計で示されています。

腰部のヘルニアに関してはSLRテスト(下肢挙上テスト)と呼ばれるものがあり、現場の理学検査としてよく使用されます。

SLRテスト:仰向けで足を伸ばしたまま上に上げる。ヘルニア陽性だと痺れや痛みが増悪します。

 ヘルニアの原因

原因は主に椎間板が突出したことによる神経(神経根など)の圧迫が原因とされています。

神経が髄核(椎間板の中に入っているゼリー状の物質)により長期間圧迫されてしまうと神経にダメージが入り、根元から先の神経領域に症状が出るというのがヘルニアの基本的な考え方です。

ですので基本的には対処方針としては

症状が神経の圧迫を取り除くための手術を行ったり(これは症状が酷い場合が多いかと思います)、前傾姿勢を避ける生活指導(前傾姿勢になると椎間板に圧力がかかり髄核が飛び出やすい)を行ったり

また保存対処として、腹部の筋力トレーニングで腹圧を高め腰部の安定性の確保することや腰部の筋肉を緩めて腰椎の負荷を軽減させたり、痛み止めなどで痛みを和らげたりしていきます。

山田
ヘルニアの原因としては、”神経の圧迫”とされているが解剖学的な観点などから圧迫だけではヘルニアの症状は起こらないという説もあったりします。

これだけ有名な疾患であるヘルニアですが、まだまだわからないことが多いです。ちゃんとお医者さんなどと相談しながら自分の体に合う方法を探しましょうね

 整体の観点から行える事

整体では、ヘルニアに関しては脊髄神経周辺の組織が硬くなっている(癒着までとは言いませんが…)と考えます。

※もちろんセオリー通り、神経圧迫も考えますがそちらに関しては観血療法(手術など)の範囲になってきますので整体では手の施しようがありません。そこはお医者さんにしっかりお世話になるべきかなと個人的には思っています。

神経の周辺組織の硬さにより、神経が長期間圧迫・牽引され、神経にダメージが入りしびれをきたす。そのような考え方です。

この神経の周辺組織の硬さを緩和するために椎間関節の運動(背骨の可動域を良くするため)や腰部周辺の筋肉に対してのアプローチを行います。

関節の可動域制限や筋肉の過緊張と左右差、筋力不足などによって症状が起こっている可能性に対してアプローチを行うわけですね。

施術者によって考え方やアプローチに差はありますが、整体では可動域改善や筋緊張の軽減、姿勢改善や腰椎への負荷軽減のための筋力トレーニングを行うことが多いです。

注:整体ではレントゲンやMRIなどの画像での所見がないのでしっかりと病院でご自身の病状(状態)を把握して、お医者さんと相談した上で最大限利用することが望ましいです。

 まとめ

ヘルニアは神経症状が伴う疾患ですので、改善に時間がかかるとされています。(神経の回復速度が0.8mm~1.8mm/日とされているため)

しっかりと医療機関で病態を把握して(自分自身でも知識をつけておくことが大切)

相談をしながら(専門家の知見や第三者の視点を忘れずに)

自分に合った方法(生活スタイルや個人因子を考慮しながら)を選んで探すのが良いかと思います

今の時代、運動不足などによって背骨周りの筋力は低下しやすく、可動域も制限されやすいです。

普段から運動を行い筋力をつけ、動かせる範囲で大きく体(特に腰回りや股関節)を動かしていくことが予防になりますので、是非意識してやっていきましょう。

腰部脊柱管狭窄症についても解説記事がございます。よろしければこちらも参考にしてみてくださいね。

腰部脊柱管狭窄症について【症状を知って上手に付き合おう】

2021年3月7日
参考:いらすとや/腰椎椎間板ガイドライン/グレイ解剖学1918年版/PhotoAC