免疫力を高める生活習慣と方法

こんにちは。

整体サロンpirka-ピリカ-の山田です。

最近、健康業界では流行している言葉があります。

それは

『免疫力を高める』

という言葉です。

整骨院や整体院でもこのキーワードはよく使われていますし

皆さんの中でも気になるワードの一つなのかなと思います。

今回は生理学や解剖学に基づいた、免疫を高める方法をご紹介していこうと思います。

参考になれば幸いです。

 免疫力とは何か?

そもそも免疫力とはなんなのかを書いていこうと思います。

免疫と聞くと思い浮かぶのがリンパ球などの名前だと思います。

これは生体防御機構の中の『特異的防御機構』と呼ばれる部類に入ります。

所謂、バイ菌が体内に入ってきた際にそのバイ菌に対しての抗原(専用の武器)を作り、バイ菌を排除するというはたらきのことを一般的に”免疫”と呼びます。

そもそも人の体を外敵から守っているのは大きく分けて

『非特異的防御機構』

『特異的防御機構』

の2つに分類されます。

 非生体防御機構

非生体防御機構というのは全ての異物に対して生体を守ろうとする反応のことを指します。

例としては

①皮膚や粘膜:皮膚上の分泌液は酸性であり細菌の増殖を抑制する。胃の粘膜からは塩酸が分泌され細菌を殺す。呼吸系では粘稠な粘液によって微生物が捕捉される。

②細胞と化学物質:食細胞(マクロファージや好中球など)やNK細胞などにより異物を除去する。化学物質により炎症や発熱を発生させ異物の排除や治癒の促進を促す。

などが挙げられます。

 特異的防御機構

対して特異的防御機構というのは

特定の抗原(免疫応答を引き起こす物質)に対して抗体を作成し、生体を守ろうとする反応のことを指します。

例としては

①ウイルスや細菌などの抗原を認識して、各々にあった抗体を作成し異物を排除する(B細胞やT細胞)。2回目以降は1回目より素早く強く反応することが出来る。

などが挙げられます。

この2つの防御機構がしっかり働いている状態を『免疫力が高い』と一般的に言います。

 免疫力を高めるために必要なもの

それでは、免疫力を高めるにはどのような事を行えば良いのでしょうか?

テレビや本ではよく一つの食材や習慣を取り上げて報道することがありますが、中々現実問題として”一つだけ行えば安心”。”これを食べれば免疫力が上がる”・・・なんてことはあり得ません。

それで免疫力が上がるのであれば、病気にかかる方はもっと少ないはずです。残念ながら人の体はそこまで簡単な作りではないのです。

今回は基本的で確実に免疫に関わる習慣について紹介していきます。

免疫力を高める生活習慣とその理由をご説明していきますね。

 睡眠を十分取ること

睡眠と免疫は密接な関係があります。

睡眠不足が起こると短期的にはNK細胞などが活性化する事例もありますが、長期的・慢性的な睡眠不足はNK細胞の活性低下や細胞数の減少が有意に見られるのです。

※参考:慢性疲労における睡眠障害および免疫系の動態に関する研究(2009)

つまり睡眠不足になると免疫力が低下してしまうということです。

また睡眠時には”成長ホルモン”と呼ばれるホルモンが分泌され、細胞の入れ替えなどを行い疲労を取ると言われています。

そして、この成長ホルモンは夜の2時頃に分泌が多くなります。

なので夜12時には入眠しておくという生活リズムが免疫力を高く保つのに有効な手段なのです。

山田
夜の1〜3時には”メラトニン”というホルモンが多く分泌されます。メラトニンは成長ホルモンの前駆物質であるので『昼ではなく夜に睡眠を取る方』が疲れを取るのには有効なんです

 バランスの良い食事を摂ること

免疫力を高めるためにはバランスの良い食事が必要です。

特に注意して欲しいのはタンパク質ビタミンです。

タンパク質は私たちの体を構成する重要な栄養素の一つです。

免疫力で言えば、免疫細胞である白血球の材料にもなります。

また皮膚や粘膜といった外敵(ウイルスや細菌)から体を守る部分の材料もこのタンパク質なのです。

ビタミンに関してはABCDEとありますが、これらをバランスよく摂る必要があります。

ビタミンAは粘膜の健康を。

ビタミンB類は免疫機能の維持を。

ビタミンCは白血球のサポートを。

ビタミンDは免疫機能の調節を。

ビタミンEは抗酸化作用で免疫低下を防ぐはたらきがあります。

これらをバランスよく摂るためには、まさに一汁三菜の日本食が適しているといえます。

主食に加え、野菜や豆、魚・肉などを組み合わせて食べましょう。

 運動を程よく行うこと

免疫を高めるためには”程よい運動”が効果的です。

これは運動により血流が増えたり、それによって細胞に運ばれる酸素の量が増えたり体温が上がるためです。

また継続的な運動は免疫細胞の一種であるNK(ナチュラルキラー)細胞を増やす効果があるとされています。

特に最大酸素摂取量の60%以下でこのはたらきが見られるため、免疫力を高める運動とはウォーキングや軽いジョギングなどの軽い運動(楽だと感じる程度)が良いでしょう。

心拍数でいうと130拍/分を目安にするとわかりやすいかと思います。

ちなみに激しい運動や高負荷の筋力トレーニングをやり過ぎると免疫力が下がる(一時的に)とされていますので、ガッツリトレーニングをした日は早めに就寝して無理をしないように気をつけてあげる事が大切です。

山田
カルボーネン法を使うと細かい心拍数が計算できますので参考にしてみてくださいね。

【カルボーネン法】

目標心拍数=(220−年齢−安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数

 保温、保湿

免疫と体温は密接な関係があるとされています。

しかし巷で言われている『体温が1度下がると免疫力が30%下がる』という言葉には実は科学的根拠はないのが事実です。

なので生理学的に保温の大切さをお伝えしていきます。

まず体温が下がる(体を冷やす)と先ほどの運動の部分でお話しした血流の低下が起こります。

白血球は血液で運搬されるモノもあるので、血流の低下が起こっている場所には白血球の数が少なくなるのです。

ですので血流の低下を起こさないために『保温(体を冷やさない)』が大切になるのです。

また湿度と関係してくるものは気道内にある”線毛”と呼ばれる組織です。

この線毛と呼ばれる組織はウイルスや細菌を粘液で捕まえ、体の外へと運び出すはたらきがあります。(ウイルスや細菌が固まったものを”痰”や”鼻水”と呼びます)

⇩線毛についてはこちらの記事も参考にしてみてください⇩

風邪予防に効果的な生活習慣3選

2021年1月8日

線毛は乾燥が強いと動きが鈍くなることが分かっています。

ウイルスや細菌を体の外に排出できないとそれだけ感染のリスクは上がってしまうのです。

なので、部屋の湿度は50〜60%をしっかり保つようにするようにして、免疫力が下がらないように気をつけましょう。

 まとめ

どうでしたでしょうか?

インターネットや雑誌には

『これをすれば免疫力が上がる!』

『これを食べれば免疫力が上がる!』

といったような広告などが多いかと思います。

たしかに体に良いとは思いますが、基本的なことを飛ばしてそれらを行ったとしても効果は薄いのではないかと思わざるを得ません。

基本的なことを行って、その上でプラスαとして行うのであれば私も積極的に勧めます。

今の世の中、情報量がかなり多いです。

あまり周りの情報に惑わされず、振り回されず、しっかりと基本を見据えて免疫力を高めていきましょう。