こんにちは。
整体サロンpirka-ピリカ-の山田です。
整体やマッサージや、整骨院、病院のリハビリなどで言われる「バランスが悪いですね」という言葉。
「バランスが悪いから痛みが出やすいんですよ」
「バランスが悪いのが原因ですね」
言われた側としては”なるほど”と納得してしまいがちですが、この「バランス」ってなんのことか知っていますか?
これを知らないと、せっかく私生活でのアドバイスを受けても上手に活用する事が出来ないかもしれません。
今回は「バランスが悪い」の”バランス”とはなんのことかについて書いていきます。
目次
バランスの種類
バランスと呼ばれるものにはいくつか種類があります。
①筋肉バランス
②骨格バランス
③使用バランス
今回はこの3つのバランスについて解説していきます。
筋バランス
①『緊張度』
筋肉には緊張と呼ばれる言葉があります。
緊張とは筋肉が「継続的に収縮している状態」もしくは「粘弾性が低下している状態」のことを指します。
筋肉には弛緩(伸びている状態)と収縮(縮んでいる状態)がありますが、収縮の状態が無意識に継続していると”緊張度が高い”とか”筋肉が硬くなってる”など言われたりします。
また粘弾性とは筋肉の伸び縮みしやすさを指す言葉で、伸びやすい状態を粘弾性が低いと言います。逆に筋肉が伸びにくい時は粘弾性が高いと言います。
なので、体が柔らかい人の筋肉は粘弾性が低いと言えますね。
この筋肉の緊張度が「左右」「前後」で大きく違うとバランスが悪いと言われます。
人の体には大小含めると600以上の筋肉があり、体の前後左右に存在しています。
例えば、胸の前にある”大胸筋”と背中側にある”菱形筋”の2つの中で「大胸筋の緊張」だけが強いと肩関節が前方に移動(猫背)してしまいます。
このように筋肉の前後左右の緊張度のバランスが崩れることで姿勢が悪くなったり、負担がかかりやすい箇所が限定的になると痛みやダルさに繋がっていくのです。
②『筋力差』
次に紹介するのは『筋力差』です。
筋力とは「筋肉が発揮する力」のことです。
”筋量”とは少し違うことだけ覚えておいてください。
この筋力が前後左右で違うのは普通なのですが、極度にバランスが崩れると痛みが出やすくなったり、姿勢が崩れたりしてしまいます。
例えば太腿の筋肉にも前後があります。前部には大腿四頭筋・後部には大腿二頭筋と半腱様筋・半膜様筋が存在します。
太腿の場合、前部:後部の筋力の差は『10:6〜8』が良いとされています。
ちなみに10:5になると肉離れを起こす確率が大幅に上昇するとスポーツ医学では言われています。
このように筋力差が適当でない場合や通常なら発揮しなければいけない筋力が発揮されていない場合に『バランスが悪い』とされるのです。
骨格バランス
次にご紹介するのは『骨格バランス』です。
よく説明の時に使われる
「骨盤が歪んでますね」「関節の歪みがありますね」
という言葉がこれに当てはまります。
ちなみに骨盤自体は歪みません。
骨盤は骨の集合体で腸骨・坐骨・恥骨・仙骨の4つの骨を合わせて骨盤と呼びます。
これらの骨は強靭な靭帯によって固定されているのでちょっとやそっとの力では動かないようにできています。
なぜかというと骨盤の形が変わると骨盤内にある内臓が潰れてしまうからです。
小腸や大腸、膀胱、子宮が潰れたら大変ですよね?
なので骨盤はそう簡単には歪みません。
しかし、「骨盤が歪んでますね」という言葉は一般の人でも馴染みがある言葉です。
これを専門家が正確にいうと
「骨盤周囲筋の緊張度・筋力差や姿勢によって骨盤の変位がおきている状態」
という表現になります。
要は骨盤が並行・垂直ではなくて斜めになっていたり回旋していたりする状態ですよということを指して”骨盤が歪んでいる”とイメージしやすい言葉で説明しているのです。
それと同じように「関節の歪み」も本来は存在していません。
関節が歪む時は関節が物理的に変性(形が変わってしまう)してしまった時だけです。
代表的なのは膝関節変形性関節症と呼ばれる高齢者の方の膝の形がO脚に変性してしまう整形疾患などがあります。
この「関節が歪む」は本来は”関節周囲筋の緊張差・筋力差、または関節周囲の軟部組織の癒着によって関節の位置が正常位置から変位した状態”という意味合いになります。
関節の位置が正常の位置からズレているという認識で大丈夫です。
これらの理由で前後左右の骨格に変位がある状態を「バランスが悪い」と呼びます。
使用バランス
使用バランスとは「日常生活での長時間の同じ姿勢や各部位の使用頻度の偏り」のことを指します。
例えば日常的に猫背であれば体の前の筋肉は収縮時間が長く、後ろの筋肉は伸ばされる時間が長くなります。
これではバランスが悪いですよね?
また脚を組む場合、どちらかの脚を上にして組みます。上にして組むという事は脚をより深く曲げた状態であると同時に重心は上げた脚側に乗るので体幹は倒れないように逆側に倒れます。
このように長時間の同じ姿勢や日常生活での使用頻度の偏りによって、負荷のかかる部位が限定的になります。
この状態を「バランスが悪い」と言います。
終わりに
施術は二人三脚です。
施術者だけが理解して施術しても効果は最低限です。
施術者とクライアント様が共通の認識を持って問題の解決に当たる事ではじめて効果を最大限にすることが出来ます。
是非、自分の体を大切にする為に、自分の体を理解するようにしてあげてくださいね。