「よく笑う・ポジティブ=良い」は本当なのか?【鍼灸師の見解】

こんにちは。

整体サロンpirka-ピリカ-の山田です。

よく笑うと健康に良い。

いつもポジティブに笑っている方がメンタルに良い。

よく聞きますよね。

たしかによく笑っていると健康で元気なイメージがありますし、ポジティブに過ごせば過ごすほど幸せなイメージがあります。

でもそれは本当なのでしょうか?

今回はよく笑う事による心や体へのデメリットについてお話ししていきます。

※笑う事が悪いという事を謳っているわけではないのでご注意ください。

 ①喜の感情は行き過ぎると精神を蝕む

普段私たちが触れている医学は「西洋医学」といって解剖学や生理学に基づいた学問です。

西洋医学とはまた違った学問に「東洋医学」というものがあります。

主に鍼灸師などが学ぶ学問ですね。

その東洋医学の考え方で、感情の種類は大きく分けて5つに分けられると言われます。

東洋医学における五志(感情)

(喜び)

(怒り)

(心配する)

(怖がる)

(考える)

※七志という考えもありますが今回は五志でお伝えします。

この中で『』の感情は行き過ぎると「心」を傷めると言われています。

ここで言う「心」とは西洋医学で言う心臓のことではなく、「精神」のことを指します。

東洋医学では”常に笑って”いたり”ポジティブ思考過ぎ”たり長期間喜びの感情が強い状態が続くと「心」が傷つき、奇声を上げたり躁状態になりやすくなると言われているのです。

その事からポジティブ思考や、笑顔でいることが絶対的に良いことだとは、実は言えません。

山田
一つの感情が長期間に渡って続いたり、行き過ぎると精神や体に異常が出ると東洋医学では言われているよ。

怒は自律神経

憂は呼吸器系

怖は泌尿器系

思は消化器系

などに影響を与えやすいと考えられています。

 ②今の気持ちを大切にすること

だからといって、まったく笑わなかったり、ずっとネガティブでいることが良いなんてことはありません。

「薬も過ぎれば毒になる」という、ことわざもある通り偏りすぎることが体やメンタルにとって良くないのです。

ここで大切なことはたった一つです。

それは今の自分の気持ちをそのまま受け止めてあげることです。

悲しい時は悲しい。

辛い時は辛い。

楽しい時は楽しい。

喜ぶ時は喜ぶ。

その感情を自分で理解して受け止める事が大切です。

悲しい時に無理に笑ったり、辛い時にポジティブに考えすぎると五志のバランスが崩れます。

落ち込んでいる時は落ち込みましょう。辛い時は泣きましょう。

その状態が長期間続く事が良くないのであって、自分の感情に素直になる事はとても良い事なのです。

山田
少し塞ぎこんで、塞ぎこむのに飽きたら外で散歩しながら「落ち込んだなー。そろそろどうしようかなー。落ち込むのにも飽きたしなー」と少しずつ元の位置に戻っていけばいいんだと思います

 終わりに

最近、色々な本や広告で「何でもかんでもポジティブやプラス思考に考えよう」だったり、「笑顔でいなければいけない。笑顔でいましょう」というメッセージが多いなと感じたので、今回この記事を書いてみました。

生きていれば楽しいことや嬉しいことはたくさんあります。

しかし逆に辛いことや苦しいこともたくさんあります。

それは自然なことで、それを受け止めて味わうのも一つ人生の醍醐味ではないでしょうか。

いつも無理に笑っていたり無理やり良い方向へ考えを持っていったりして疲れている人に『少しは力を抜いてもいいんだよ』ということが伝わってくれればとても嬉しいなと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

参考になれば幸いです。