こんにちは。
整体サロンpirka-ピリカ-の山田です。
よく整体院や整骨院で言われる「○ヶ月で良くしましょう」という言葉があると思います。
これだけを聞くと普通の人なら『○ヶ月通えば良くなるんだー』と感じるかもしれません。
しかしこの言葉はそういう意味ではないのです。
今回は施術者側から見た「○ヶ月で良くしましょう」の言葉の意味を解説していきます。
施術者と受け手の解釈を合わせて施術に取り組み方が、計画や体についての理解が深まるかと思いますので参考にしてみてください。
目次
体のサイクルについて
人の体には色々なサイクルがあります。
自律神経や体温、体内時計、細胞の再生など常に変化したり、古いものから新しいものへと入れ替わりが起きています。
特に細胞の中で赤血球は約120日のサイクルで古い赤血球が壊され、新しいものと交換されます。
赤血球は酸素を体の隅々まで運ぶ役割を担っていて、古くなるにつれて酸素を運ぶ力が弱くなっていきます。
また赤血球は本来とても柔軟性があり、狭い血管(毛細血管)なども自身を折り畳むことによって通過して細胞に酸素を運ぶことができます。しかし古くなった赤血球は酸素を運ぶ力が弱くなるのに加えてこの柔軟性も低下し、上手く毛細血管へ酸素を運ぶことができなくなります。
肩こりや腰痛など体の痛みが出ている場合、血行が悪くなっているケースがあり、この赤血球との関わりが深くなります。
なので、整体院や整骨院での「○ヶ月で良くしましょう」はこの辺りから考えられている事もあります。
またトレーナーの言葉に「柔軟性は日ごとに、筋力は週ごとに、スピードは月ごとに、持久力は年ごとに」という言葉があります。
このスピードという言葉には全身の筋肉や関節の連動が必要なので、筋力がついても筋肉の質が変わっても、しっかり協調性を得るまでは数ヶ月かかるという意味があります。
このようにトレーナーの言葉からも「○ヶ月で良くしましょう」という文言が使われているのかもしれません。
治癒と寛解の違い
「治った」「治ってない」の境界ってなんだと思いますか?
一般的には「治った」は”治癒”のことを指して使う言葉だと思います。
治癒とは体に負った傷や病気などが完全に治ることを意味します。
再発もしなければもう悪くなったりしない。そのような解釈です。
しかし、医療に携わる人や整体師などから考える治るとは”寛解”を指す場合があります。
寛解とは病気による症状や検査異常が消失した状態を「寛解」と呼びます。
この寛解という言葉は”一時的に”症状が消失して状態であり、完治とは違います。
消失した状態の寛解を維持しましょう。そのような解釈です。
この「治った」状態の解釈に違いが不満に繋がるケースがあったりするので、施術を受ける際はこの事を頭の中に入れておいて、施術者と解釈の摺り合わせを行うことが大事になってきます。
『○ヶ月で良くしましょう』の意味
「○ヶ月で良くしましょう」の意味は、体の組織が置き換わるのが数ヶ月、また体に悪影響を与えていた生活習慣を改善して定着するまでにも数ヶ月かかるのでそのくらいを目安にしましょう。という意味です。
元々、体が悪くなったのは多くが生活習慣のせいです。
姿勢が悪い。
食生活が悪い。
運動をしない。
水分が少ない。
睡眠不足。
など、”自分の生活”が原因となっていることが大半です。(例外は足を捻ったなどの「怪我」です)
施術などで、今の症状を良くすることは可能でしょう。
しかしその状態を継続するためには生活習慣の改善が必須となります。
その為、「○ヶ月で良くしましょう」と伝えることが多くなるのです。
終わりに
どうでしたでしょうか。
よく聞く言葉だったり、普段は「へー、そうなんだ」と思うことだったと思います。
しかし、施術を受ける側もその言葉の意味を知っておくことで、施術の流れや効果・期間の意味を理解することができます。
少し大袈裟に言ってしまうと、自分の癌の治療で「その治療の意味や流れを知らなくても良い」「薬の効果や副作用を知らなくても良い」という人はいないでしょう。
そしてそれを知っていることで、治療の効果を最大限にしたり、生活で気を付けることをはっきりさせる事が出来ますよね。
施術は二人三脚なのです。
もちろん施術者が専門家として、技術や知識を磨き、最高のものを提供するのは当たり前です。
しかし、普通の商品と違って、提供する先が人間の体のことです。
人間の体は環境に敏感に反応して変わる・・・言わば水物なのです。
是非、しっかり自分の体と向き合うようにしてみてくださいね。